2011年8月20日土曜日

BMCの選手補強

フースホフトのBMC移籍に続いて、今度はジルベールのBMC移籍も正式に発表されましたね。ジルベールの移籍先は、結構前からBMCではと噂されていたのでそれほど驚きはなかったけど、それでも「BMCかぁ…」と思ってしまうこの心境はどうしたもんですかね。

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BMCの選手補強、たとえばHTCのTJを連れてくるってのは、山岳アシストがまだ弱いチーム事情と一致していてとても納得いくわけです。でも、ジルベールとフースホフトってのはどうなんでしょう。この二人がBMCに加入したことによるチーム事情って、今年のオメガファルマ・ロットに近いと思うんです。

今期に入って、オメガファルマ・ロットにはグライペルが加入し、一緒に何人かHTCからアシストも連れてきて、今までのチームにはなかったゴール前スプリントを競える力を手に入れた。ただ、グライペルとしては、HTCにいた頃に出場できなかったツールに出たいという希望が当然あって、実際その念願がかなってツールに出場することもできた。

ただ、オメガファルマのチーム目標は、去年結果の残したヴァンデンブロックの総合狙いであって、グライペルはトレインを組めるようなアシストを連れてツールにでることは出来なかった。さらには、今期強すぎるほどのリザルトを残してきたジルベールもツールに参戦。これによって、単独スプリントによるポイント賞狙いのグライペル、ステージ勝利狙いのジルベール、個人総合の表彰台狙いのヴァンデンブロックという、選択肢の沢山あるチームができあがったわけだけど…。傍からみても、こんな中途半端なチーム構成で結果を残せるのだろうか?という疑問がわき上がるわけで。

そして、その不安どおり、ツール序盤でヴァンデンブロックとジルベールがゴール前で協調体制とれずに共倒れするシーンだったり、ポイント狙いの形で動いたジルベールをみたグライペルが「こんなのチーム戦じゃない」的なコメントを残したり…、まぁある種、期待通りの展開になりました。ヴァンデンブロックが落車による怪我の影響でリタイヤしたことで、そのチーム内の混乱も落ち着くという、悲しむべきか喜ぶべきかいまいちわからない結末を迎えたうえ、終わってみればステージ3勝というリザルトを残していて、チームとして決して失敗じゃなかったとは思うんだけどそれは結果論であって、仮にヴァンデンブロックがリタイアしてなかったら、このチームはどうなっていたんだろう…?というのは未だに興味のあるテーマだったりする。

で、話を元に戻すとBMCのチーム構成。当然、今年のツールでみごと初優勝を飾ったエヴァンスが中心であることに代わりはないでしょう。そこに、ワンデーレースに強いジルベール、北のクラシックのようなタフなレースに強いスプリンターフースホフトが加入。多分春先はうまく役割分担が出来ると思うし、それこそチームがうまくフィットするとクラシックで勝利を量産しちゃうことも可能なチーム編成になりそうな気もする。今年のアルデンヌクラシックで、ジルベールをアシストするヴァンデンブロックをみて、これは強力なアシストだなぁ…とか思った記憶があるけど、来年にいたってはジルベールをアシストするエヴァンスといったシーンも見れるわけですよ。これはずるいw

ただ、やっぱり問題になるのはツールの編成じゃないのかなぁ…と。エヴァンスからみて、グランツールにおけるジルベールとフースホフトの立場は、総合優勝を狙ううえで、うまくまとまるんだろうか。今年のオメガファルマと同じようなことにならないだろうか、とかね。

あとは、やっぱり実績のある選手を(おそらく大金を積んで)引っ張ってくるBMCのやり方がなぁ…。ロードレースの世界でも、最近は資金が潤沢にあるチームが、お金を積んで選手を集めるケースが増えてきてると思うんだけど、BMCの集め方が一番えげつないようにみえちゃう。たとえば、最近だとスカイやレオパード・トレックなんかも、同じように選手を集めた印象があるけど、例えばスカイの場合はイギリス人によるツール勝利という目標があって、レオパードの場合もシュレク兄弟のためのチームというふうに、一応チーム方針がファンにも見えているわけですよ。でも、なんというかBMCの場合は見境がないというか…。いや、これは個人的なやっかみというか、銀河系集団的チームが好きになれないという性格に起因してるいちゃもんだという認識はあるんだけどさw

ヨーロッパで、BMCのようなチームって人気でるもんなのかなぁ…?

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