2011年3月24日木曜日

ミラノ~サンレモを振り返る

先週の土曜日に、モニュメントと呼ばれる5大ワンデーレースの一つ、ミラノ~サンレモが行われて、いきなり興奮度MAX!な私です。いやぁ、本当に面白いレースでしたねー。去年のミラノ~サンレモは、集団によるスプリントで、中盤は結構中だるみしていた印象もあったので、距離が長いが故のそういうレースなのかなぁ…と思っていたのですが、一転して今年のレース。超絶なサバイバルレースっぷりに最後までハラハラしました。

ここまで面白いレース展開なったのは、やっぱりレ・マニエ峠の下りで発生した集団落車のせい(おかげ?)ですよね。丁度Jスポのライブ中継が始まった時に起きたこの落車で、集団が二つに分裂。残り距離がまだ100キロくらいあるし、また集団が1つになるだろうなんて思ってたら、前の集団はここぞとばかりペースアップ。そこから先、ゴールまで(厳密に言うとチプレッサまでなのかな?)続いた集団同士のチェイス劇によって、想定外のサバイバル展開に。

集団が割れてからしばらくの間、誰がこの集団にいるのか把握出来ずにレースを観てたわけだけど、どうやらここに、優勝候補に挙げられていた選手のうち、パンチャーな方々が軒並み残っていたことで、後ろの集団に取り残された多くのスプリンター達と差を広げてしまおうという動きになったんでしょうか。特に、ジルベール率いるオメガファルマ・ロットはアシストも多く、バッランのいるBMCとロットががしがし集団を牽いてく展開に。逆に、追う後ろの集団は、人数が多いのにかかわらず、なかなか前の集団との差がつまらない。これは、前に強力な選手が残っていた多くのチームが追走に選手を送り込まなかったことも大きかったのかな?

私は、レース観戦中に前の集団にHTCのメンバーが残ってたことを確認できなかったんで、なんで追走集団をHTCがコントロールしないんだろう…とずっと気になってたんだけど、その理由がわかったのはゴールシーン直前になってからでした。なんとゴスがあの展開で最後まで先頭集団に残ってた!そして渾身のゴールスプリント!ジルベールやカンチェラーラ、バッラン、ポッツァートなどなど、並み居る強豪を交わしてTOPでゴールとなりました。

しかしこのゴス。本当に強い選手ですねー。前の集団にチームメイトが全然残ってなかったはずだから、実質一人で勝利をもぎ取った形に近いんじゃないでしょーか。もちろん、パンチャーでないので、自分から動く必要はなく、最後まで集団に残ることができれば…という条件さえこなせば勝利に近づくという点で有利な面もあったとは言え、あれだけハードな展開になって最後まで生き残ったのが普通のスプリンターじゃない。チームメイトのカヴェンディッシュよりも、いろいろな場面で融通の利くスプリンターですね。今後、チーム内で役割分担うまくできんのかなぁなんて、余計な心配までしちゃいたくなりますね。

他、見所だった点をピックアップ。

・なんと言っても、日本チャンピオン宮澤選手の活躍!さすが有言実行の男、レース前の逃げ宣言通り、うまいこと逃げに乗って、200キロ近くレースを引っ張りました。惜しいことに、Jスポの放送が始まる直前に逃げ集団から落ちてしまいましたが、その後も積極的に集団を牽く場面が実況にのって、ほんとにかっこよかった。あと、レース前の黙祷時に見せた男泣き映像で、こっちももらい泣きしちゃいましたよ…。

・スカルポーニのものすごい追走。前を捉えきれない追走集団にしびれを切らして、一人で追走しはじめて、なんと追いついちゃった。ちょうどチプレッサの丘がスカルポーニにとっては追い風だったんでしょーけど、普通あの展開では追いつけないよな…。最後、スプリントまでしてみせて、勝利には結びつかなかったけども、最後まで見せ場十分でしたね。よくよく思うと、去年のジロ・デ・イタリヤやジロ・ディ・ロンバルディア、そして今回のレースと、イタリアのレースでは活躍が光りますねー。かなり調子良さそうだし、今年のジロでも活躍が期待できそう。

・終盤のBMCの動きが良かった。バッランがエースと見せて、ポッジオで先にしかけたファンアフェルマートの独走。あわやこのまま決まっちゃう?と一瞬思った、いい判断での仕掛けでしたね。最後はバッランのスプリントで、4位に。勝利にはいたらずとも、今後どっかの大きいレースで勝利につながってもおかしくなさそうな印象を受けました。

・調子の良さそうなジルベール、カンチェラーラと、いまいちなボーネン。カンチェラーラは、レース後に「人生でも一番のスプリントをしたが、ゴスを破ることができなかったよ」とコメントしてたくらいで、この人のゴール前スプリントってお目に掛かった記憶がなかったので珍しいものがみれた。ジルベールも、スプリントではゴスには勝てないけども、さい先の良いスタートはきれたんじゃないのかな?逆に心配なのはボーネン。レース展開的に厳しかったってのもあるけど、ポッジオで置いてかれちゃいました。北のクラシックの盛り上がりには、この人の活躍が必須だと思ってるので、ここから先の調整に期待したいところだけども…。

これだけ熱いレースはそうそう観ることができなよなー、とは思いつつ、今後続く北のクラシックも面白いレースになるといいなぁ。

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