2012年2月27日月曜日

オンループ・ヘットニュースブラッド

土曜日に開催されたオンループ・ヘットニュースブラッド、ベルギーでのセミクラシック開幕戦ということで結構に楽しみにしてたレースだったわけだけども、ストリーミングでガッツリ観戦することができたので軽く回顧を。

クラシックシーズン開幕 23歳ファンマルクがボーネンを下す

いやー、もうびっくりしましたよ、ファンマルクの強さに。レース終盤でアタックをかけて集団をふるい落としたのもファンマルク。そして最後の勝負どころでも、強烈なアタックによって優勝争いをボーネン、フレチャの3人に絞り込んだのもファンマルク。そしてそして、ゴール前スプリントで、誰がどう見ても圧倒的有利に思えたボーネンを差しきったのもファンマルク。まさかあの展開でボーネンが負けるとは思いもしなかったし、びっくりしたよ、俺は。

レース後、ボーネン曰く「仕掛けが早すぎた。最後の最後で脚をつってしまった」的なコメントを残しているとおり、早仕掛け&脚が残ってなかったという敗因もあるんだけど、ボーネンに判断を誤らせただけの実力をファンマルクが持っていたってことなんでしょう。

ファンマルクは去年もクラシックレースで結果を出しつつあったようだし、今回のオンループで勝利したことでさらにステップアップしそうな気がしてる。本番でもいい線いくんじゃないだろうか。しかもまだ23歳だって!ガーミンというチームにはハウッスラーやファラーといったクラシックライダーがいるので、今年どこまで自由に走らせてもらえるかはまだわからないけど、今回これだけ強さを発揮したらチャンスはもらえそうだよね。

負けたボーネンは…、本番は当然この先だしね!調子良さそうだったし、パヴェ区間では健在っぷりを発揮してたけど、最後のスプリントで決め手が弱くなってきてる印象はあるよなー。例えばパリ~ルーベでフースホフトあたりとガチンコのスプリントになったらどっちが勝つだろう?とか。ま、ここで圧勝して去年のカンチェラーラ状態になるよりは、今はこのくらいの結果のほうがいいのかもなw

2012年2月20日月曜日

ツアー・オブ・オマーン

カタールのレースほど興味がなかったので、特にストリーミングを追うこともなく、結果だけチェックしてましたが…、なかなか熱い展開になったようですね。平坦コースでは、グライペルとキッテルのドイツ人2人がしのぎをけずる展開に。カヴェンディッシュやファラー、ボーネンといったカタールで結果を残してきたスプリンター組はおとなしめ(カヴは暑さにやられてたなんて話も耳にしたけど)。ロットはジルベールが抜けたことによって、完全にグライペルシフトになってますね。チームオーダーに中途半端さが無くなって、良いことなのではないだろうか、という気がしてる。去年まで圧倒的だったHTCトレインがなくなって、今年のスプリントはどういうふうになるのか楽しみにしてる点の一つなんだけど、案外HTCトレインの跡を継ぐのはスカイでもガーミンでもグリーンエッジでもなくてロットだったりしてね。

あとは、個人総合争いも終わってみれば1秒差という僅差の決着に。ベリトス弟は一昨年のブエルタで結果を出してから、オールラウンダーとして着実に実力を伸ばしてきた印象があるわりに、実はステージレースで総合優勝を果たしたのは今回が初めてだったらしい。ちょっと意外だったけど、去年まで属してたHTCコロンビアというチームがカヴのためのチームだったことを考えると、オールラウンダーとして結果を残すには厳しいチーム事情があったともいえるしね。今期、去年までオールラウンダー不在だったオメガファルマQSTというチームに移籍して、一気に花開くといいですな。チームメイトのマルティンやライプハイマーとの兼ね合いをどうしていくのかは気になるところだけど、楽しみが増えたことには違いないです。

オメガファルマQSTはこれで、サンルイス、カタールにオマーンと、ステージレースで3連勝。去年のことを思うとちょっとありえないくらいの好スタートを切ったことになるけど、この先もこの好調っぷりが続くといいなぁ…。せめて、北のクラシックシーズンまではこのまま失速することなく結果を出してほしいな。

1t4iのキッテルが2勝目をマーク Pベリトスがオマーン第3代覇者に輝く
キッテルがステージ2勝目、ヴェリトスが念願の総合優勝を果たす

2012年2月13日月曜日

ツアー・オブ・カタール

ツアー・オブ・カタールとっても面白かったのです。毎日21:00からはじまるストリーミングにて観戦してたんだけど、特に第3ステージと第4ステージの展開が熱かった!やっぱりロードレース観戦はライブに限るよなぁ…と改めて思いました。

第3ステージは、ちょうどストリーミングがはじまったあたりで横風区間に突入、エシュロンが形成されるところを目の当たりにできたのが嬉しかった。エシュロンで集団が分かれる展開って、これぞカタール!って感じがするよね。で、第1グループには、大会の優勝候補でもあるエースたちがしっかりと居残り、ゴール前スプリントで先にしかけたボーネンを余裕の手応えで差し切ったカヴェンディッシュがアルカンシェルを手にしてからの初勝利!



そして、もっとも盛り上がったのが第4ステージ。終盤、すでに小さくなっていた集団から、残り5キロのあたりでカンチェラーラがアタック!この鬼曳きによってあっという間に集団がバラバラに。カンチェラーラのアタックに即座に反応したアダム・ブライスと、その後ちょっとした差を追いかけるQST勢3人やフレチャなど数名が続く。この時点でボーネンと総合優勝を競っていたファラーが脱落(パンクだったらしい)、カンチェラーラについていたアダム・ブライスも脱落(こちらもパンクだったらしい)、そしてカンチェラーラに追いついた少人数の集団がそのままゴール前でスプリント。こうなると最も利があるのはボーネンで、総合優勝をぐっと引き寄せることになった価値ある大会2勝目をゲット。結局この時手に入れたタイム差をそのままキープしてボーネンが総合優勝を手にしました。



しかし、この第4ステージの終盤は、この後のクラシックレースを連想させる厳しいレース展開になりましたね。カンチェラーラのTTモードが発動すると、一気にテンションがあがります。アダム・ブライスが先頭交代を拒否したことで、カンチェラーラを追っていた他のメンバーが追いつきやすくなったという事実もあるけど、QST勢の仕上がりの良さも目についた。ボーネンの調子も良さそうなんだけど、他にもニコラス・マースとスティーグマンスの働きぶりも素晴らしかった。ニコラス・マースは去年もこのレースで結果を出してたはずで、北のクラシックでも戦力になる予定だったんだけど、残念ながらパリ〜ニースで落車負傷のため春先のビッグレースを棒に振ってしまったのがもったいなかった。今年は順調にいってほしいですね。

シーズン序盤ということで、まだまだコンディション調整の目的という選手も多いレースだったとは思うけど、盛り上がるところはしっかりと盛り上がって、見てて面白いレースだった。ASO主催ということもあって、レースの実況映像も綺麗だったしね。贅沢を言うなら、できればJスポで日本語解説付きでみたいレースの一つだったりもするわけだけども…。Jスポさん、そろそろこのレースもライブ中継対象にしちゃいましょーよw

2012年2月7日火曜日

オメガファルマQSTが絶好調な件

2012年になってから、オメガファルマQSTの快進撃が続いている。cyclowiredのこの記事によると、
シーズン序盤から絶好調のオメガファーマ・クイックステップは、これが2012年シーズン8勝目。驚くべきことに、早くも2011年シーズンの勝利数(8勝)に並んでいる。
とのことらしい。確かに去年は散々だったもんなー、とか、オフシーズンに行われた大補強を考えると、今シーズンは結果を出さないとヤヴァいよな、とか、プレシーズンで勝ちを量産したところで、3月以降の本番で結果が出ないと意味無いよ!とか、いろいろ思うところはあるんだけども、まずは良いスタートをきったようで、ファンとしてちょっと安堵してる。

個人的に驚いたのは、昨日のツアー・オブ・カタールで、チームTTで良いタイムだったこと。TTスペシャリスト集団のガーミン・パラグーダに及ばないのは仕方ないとしても、そこから遅れることたったの7秒、全体で2位の好成績。今回オメガファルマQSTがカタールに送り込んだメンバーを考えると、そこまでTTが強いという印象を持っていなかったので、ここまで良績を残すとはおもわなんだよ。

カタールの帝王ことボーネンも、初日のスプリント勝利に続き、チーム力を問われる昨日のTTTでタイムロスを最小限に抑えたところから、アクシデントが発生しない限り総合優勝を狙いに行くだろうな。この時期にコンディションを上げすぎて、本番のクラシックシーズンに調子落ちとかいうオチは勘弁願いたいけど、ここで結果を出しつつ、去年はほとんど良いところのなかった北のクラシックでも八面六臂の活躍することを期待したいですな。

コンタドール、2年間の出場停止処分に

2010年のツール終了後、ドーピング検査に引っかかっていたことが判明し、その後長いことうやむやになっていたコンタドール。昨夜、ようやくCASから裁決が出た。その結果、クロ判定となり、2年間の出場停止処分に相成りました。コンタドールのことは好きでもないけど、ロードレース界のトップレーサーがこういう形で退場になるのをきくと、やっぱり残念です。

CASがコンタドールに2年間の出場停止を言い渡す ツールのタイトル剥奪

どうやら出場停止扱いになる期間は、2011年1月25日~2012年8月5日になる模様(すでに暫定的な出場停止処分を5ヶ月と19日間受けているため)。この影響で、2010年のツール総合優勝と2011年ジロ総合優勝は剥奪されることに。

どちらの大会も、後のCAS裁決次第では勝利が剥奪されるかも、と言われてたけど、実際に剥奪されるとインパクトが大きいな。3年連続総合2位という、ある意味不名誉な記録を残してしまったシュレク弟も、これで晴れて(?)ツールの覇者に。本人の談話によると、「自身の力で勝ち取った結果ではない」的なことを言っているようだし、まぁその気持ちもわからなくはないけどな…。それよりもとても影が薄い気がするのは、去年のジロで繰り上がり優勝となるスカルポーニ。スカルポーニもこの可能性があることを考えて、全力で2位を獲りにいったんだろうけど、去年のジロはコンタドールの強さが圧倒的すぎて、2位以下の印象がほとんど残っていないという…。

こういう結末になる前に、とっとと出場停止処分を受けていれば、という気もするけど、過ぎたことを考えてもしかたないしね。レース復帰時期は年内とブランク期間は短いので、もし引退することなく現役続行となるのであれば、復帰後のレースで健在っぷりを存分に発揮して欲しいところ。