2012年3月26日月曜日

ドワーズ・ドア、E3プライス、そしてヘント〜ウェヴェルヘム

オメガファルマQST、怒涛のチーム3連勝ですよ!好きなチームが想像以上の好調さをキープし続けていると、逆になんか不安になってくるのはどういうことでしょうか!?

ドワーズ・ドアはテルプストラの逃げきり勝ちも素晴らしかったんだけど、シャヴァネルの好アシストも見逃せないですよね。結果論かもしれんけど、テルプストラとシャヴァネルの2人が逃げ集団に乗れた時点で、このレースの行き着く先はほとんど決まってたのかもしれない。

テルプストラ独走勝利 2位シャヴァネルとのオメガファーマのワン・ツーフィニッシュ

そして2日後のE3プライスでは、ボーネンが勝負どころでレースを動かしながら、最後はスプリントで勝利と、これ以上ない勝ち方。終盤で二日前のレース同様逃げに乗ったシャヴァネルがゴール近くまで粘り続け、テルプストラが追走集団から抜けだそうとする選手のチェックに入り、最後はエースによるスプリントで勝利をおさめるという、チームとして磐石すぎる勝ち方。もう何も言うことがないという。

石畳に絞られた集団スプリントをボーネンが制す 新城は落車リタイア

さらに今日のヘント〜ウェヴェルヘム。今回はテルプストラとシャヴァネルというアタッカー不在のチーム編成ということで、逃げに選手を送り込んで追走集団にいるボーネンがレースをコントロールする、というオメガファルマQSTお得意の展開ではなく、最後まで派手な動きを控えて最後のゴールスプリントにかけるという、前2つのレースとはまた異なる戦略。好調のキッキやチオレックでも勝ちを狙えるというチーム編成だったけど、今日も勝利を決めたのはボーネン。最後のスプリントはかなりカオスな感じだったけど、ちょうど前の壁になっていたサガンが、フレイレの動きにつられてボーネンの進路をあける形になり、そこからのボーネンのスプリントは実にお見事でした。

ピュアスプリント勝負になると、他の若いスプリンターの後塵を拝する姿を何度もみてきたので、今日のような圧巻スプリントをみると本当にボーネンは好調なんだなぁと改めて思った次第であります。E3プライスとヘント〜ウェヴェルヘムを連勝するって、過去にどのくらい例があったんだろ。

しかし、エースだけじゃなく、チーム全体がこれだけ好調なのを見せつけちゃうと、本番となる来週のツール・デ・フランドルや翌週のパリ〜ルーベでは、オメガファルマQST VS その他のチームというレースになりそうですね。いくらチームが好調でも、徹底的なマークにあうとどうなるんだろう…。逆に、カンチェラーラあたりはレースがしやすくなりそうだよな、とか。

2012年3月18日日曜日

ミラノ〜サンレモ

帰省中につき、Jスポーツのライブ中継を見ることができなかったので、ストリーミングサイトで観戦した。Macbookでストリーミング動画を流しつつ、iPhoneでTwitterのタイムラインを追い、iPadで2chの実況スレをチェックするというスタイル、試してみるとなかなかいい感じで、何を喋ってるのかさっぱりわからないストリーミング映像を、他の人たちの書き込みで補完するという観戦方法もありだなぁと思ったり。

さて、そのミラノ〜サンレモ。レマニエ峠でカヴェンディッシュが早々に遅れて、そのカヴェンディッシュを先頭集団に連れ戻すために懸命になるスカイがレース中盤の単調になりがちな道中を盛り上げたけど、結局カヴェンディッシュがレースを諦めて、レースの焦点は前に残った選手たちの絞り込みに。

毎度レースの肝になるチプレッサである程度メンバーが絞られて、重要な局面で発生したジルベールの落車でさらに有力どころが脱落。さらにポッジオの登り区間でアタックをかけたニーバリとそれに合流したジェランス、カンチェラーラの3人のエスケープが決まるかどうか、特にカンチェラーラが無双状態突入後、後ろについたジェランスやニーバリが粘れるかどうか、さらにその3人を追う後続が逃げを潰せるかどうか、一気にボルテージが上がりましたねー。カンチェラーラが前を牽き始めると、他の選手はカンチェラーラを逃がすわけにはいかないので必死に後ろを追うことになって、レースが一気に緊迫した状態になるんだよね。

ゴールまで逃げを決めるために牽き続けたカンチェラーラは、最後の最後でジェランスに綺麗に交わされて、今年も2着。去年はスプリントで2着だったので去年のレースとはまったく状況が違うわけですが、これだけがっつりマークされちゃうと勝ちきるのはなかなか難しいですね。3人のエスケープに入ってから、一瞬だけジェランスが前に出た他、ずっとカンチェラーラが一人で前を牽いていたわけで、それで後続が追いつけなかったので、相変わらずカンチェラーラの強さは目についたわけだけど、どうにかして独走状態に持ち込まないとスプリントでは歩が悪くなりがちですな。後ろについていたジェランスとニーバリにしてみれば、自分が勝ちたいという欲を持ちつつも、後ろから追ってくるメンバーにゴスとサガンという決め手のあるスプリンターがいるから、逃げが決まらなくてもいいという大気名分があったのもカンチェラーラにとってはきつかったですね。こればかりはチームオーダー次第でもあるので、勝ちを狙えるスプリンターがいないと(今回はベンナーティもいたけど…)最後の最後で厳しくなっちゃう。そんなこんなを考えると、カンチェラーラが勝利するにはポッジオの下りで独走に持ち込むしかなかったんだろうなぁ…と思う次第。ま、勝ちを逃したけど、調子はとっても良いのは明らかなので、北のクラシックでも当然の大本命なんでしょう。

個人的に一番応援していたボーネンは22着。ライブでレースを見ていたときに、レース後のゴール前リプレイで派手に落車してたオメガQSTの選手がいて焦ったんだけど、あれはポッジオの下りで落車した選手の影響でちょっと遅れたボーネンに代わって前を追っていたトレンティンだったらしい。ボーネンも調子よさそうだったし、当然今回のレースも勝利を狙っていたとは思うんだけど、それ以上に本番レースといえるのは来週からの北のクラシックなわけで、ここで怪我をしちゃうようだと、ファンのテンションも一気に落ちるわけで、22着という結果は残念だったけども最悪の事態にはならなかったので吉としよう…。

最後にカンチェラーラを差し切ったジェランスは、たしかにおいしいどころどりだったんだけど、どうすれば自分が勝つことができるのか冷静に判断した結果なんだし、今期グリーンエッジに合流してからの調子の良さはこれまでのレースでも見せつけていたので、決して運だけの勝利でもないよね。なんだかんだいって、このレースを勝つにはシーズン序盤から調子の良いところをみせてないと無理なんだろうしさ。まずはおめでとうと言いたいですね。しかしこのジェランス、昨シーズンまでスカイにいた2年間は全然印象がなかったんだけど、今期の好調ぶりは目を見張りますねー。本来ならエーススプリンターのはずのゴスがそこまで本調子になっていないような状況で、ジェランスがビッグレースを制することができたのは、立ち上がったばかりのチームにも追い風だよね。ただ、このグリーンエッジというチーム、強力なオールラウンダーが見当たらないように思うんだけど、だからといってスプリントの勝利を狙うにはゴール前のトレインが組めているという印象もないし、この後のビッグレースではどういうオーダーを組んで何を目標にしていくんだろうか。

ポッジオで決まった3名のアタック 豪州勢が2年連続サンレモ制覇
実力で負けて勝負に勝ったゲランスがミラノ~サンレモを制す

2012年3月6日火曜日

ストラーデ・ビアンケ

先週土曜日に、イタリアのトスカーナ州で開催されたストラーデ・ビアンケをストリーミングにて観戦した。歴史が浅いのにかかわらず既に多くのファンを獲得していると言えるこのレース、見所はやっぱりこの写真に代表される未舗装区間。近年はジロでもコースの一部として取り入れられるようになりましたね。パヴェほどのアクシデントは起こりにくいんでしょうけど、砂煙の舞う光景は、何かが起こりそうな予感をひしひしと伝えてきますよね。

さて、今年のレース。序盤、中盤と逃げを打ったレディオシャック・トレック勢がカンチェラーラを温存しながらレースをコントロールし、それにBMCが対抗する展開になりました。序盤がどんなレースだったのか把握できてないんだけど、ストリーミングで観戦しはじめた時にはイケメンが単騎で逃げていて、それを追う集団はバッランとファンアーヴェルマートがカンチェラーラを見据えながらレースを進めていく。さらに後ろの集団にジルベールなどの有力選手がいたようだけど、前に追いつけるようなタイム差じゃなくなりつつあり、終了モード。

残り距離がなくなってきたところで、先にレースを動かしたのはBMCのファンアーヴェルマート。それをすぐにチェックしたカンチェラーラが、早々に追い抜いて無双モードに突入。カンチェラーラを追走する小集団が形成されたものの、最後まで追いつくことなくそのままゴールへ。こういう展開になると、カンチェラーラは本当に強いですね。カタールでも第4ステージで調子の良さそうなところを見せていたけど、さらに状態は上向き中といったところでしょうか。このパターンに持ち込まれたら、よほど追走で協調がとれないと、誰も手を打てない感じですね。レース展開も、チームメイトがずっと逃げてくれたおかげで、終盤までじっくりと機を伺うことができてたようだし、チームとしてこういうレースが出来るようであれば、去年のフランドルやルーベのような惜しい負けが続くこともないかも…という気もしてきますね。

ただ、今年はボーネンとその仲間たちの仕上がりっぷりも非常に良いみたいなので、カンチェラーラがいくら強くても一筋縄ではいかないんじゃないだろうか。昨日のパリ~ニース第2ステージでも、横風区間でオメガファルマQSTが動いて集団を粉々にし、そのままボーネンを勝利に導いたところをみるに、やっぱりチーム状態は非常にいいんでしょう。

逆に、チーム状態がなかなかあがってこないようにみえるのがBMC。ストラーデ・ビアンケでも、個人の状態を度外視して名前だけながめたら最強メンバーなわけだけど、パンクで遅れたジルベールは仕方ないとして、他にレースに参加してたエヴァンス、ヒンカピーにブライスといった面々はレース中に名前を聞かなかった気がするもんな。まだまだ調整中ってことなんだろうけど、ぼちぼちコンディション上げていかないと、少なくとも北のクラシックには間に合わなくなるような…。フースホフトもまだまだみたいだし。経験豊富な選手が多いわけだし、そこはそんなに心配する必要もないのだろうか。

ま、このままけが人がでなければ、フランドルやパリ~ルーベは面白いことになりそうだから、期待は高まるばかりです。はやく1ヶ月たたねーかなぁ…。

出走メンバー
レース結果
「北のクラシック」に向け本格始動 カンチェラーラが砂塵レース制覇