2012年12月12日水曜日

今年のレースを振り返る


2012年も、残すところ3週間を切りましたね。

このブログ、春先の大一番であるパリ~ルーベが終わった後はすっかり放置状態になってましたが、決してサイクルロードレースに飽きたわけじゃなくて、Jスポーツで中継のあったレースはほぼチェックしていたのでした。文章を書く気力がなかっただけ、ってやつですね。

さて、1年を振り返るにはまだ早い気もするけど、ことサイクルロードレースに関してはもうシーズンが終了しているので、ここらで今年の印象的だったレースを振り返ってみたいと思います!

今年は、pinterestを使い始めた年でもあるんですが、サイクルロードレースとpinterestの相性が抜群で、印象的な写真を次々とPinしていったおかげで、今年どんなレースがあったのかを振り返るのも自分のボードを眺めるだけで出来てしまうという、この便利さ。せっかくなのでPinした写真から、個人的ベスト5レースをチョイスしてみましたよ。

ちなみに、↓がそのボードです。1年間で443Pin!よくもこれだけ集まったもんです。
http://pinterest.com/hashimukai/cycle-roadrace/

では、早速みていきましょう。どーん!

・パリ~ルーベで独走中のボーネン
http://pinterest.com/pin/82401868152248136/



・ジロ・デ・イタリア第18ステージの表彰台、スプリント賞を逃すことが決定的になり、呆けた表情のカヴェンディッシュ。
http://pinterest.com/pin/82401868152469847/



・ツールで圧倒的なスプリント力を発揮したサガンの変なポーズ。
http://pinterest.com/pin/82401868152701548/



・同じくツールで、22歳にしてステージ勝利を飾ったティボ・ピノーとマディオ監督。マディオ監督の熱さにしびれた!
http://pinterest.com/pin/82401868152738194/



・ブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージ、個人総合優勝に王手をかけていたホアキン・ロドリゲスを、会心のレース運びで大逆転したコンタドール。
http://pinterest.com/pin/82401868153161330/



それぞれの写真に対して、一言ずつ感想も書こうかなとか思ってたけど、写真だけで十分な説得力がありますね。サイクルロードレースって、ライブ実況を楽しむのも醍醐味だけど、写真で振り返るのも魅力的だなぁとしみじみ思いました。

2012年4月9日月曜日

パリ~ルーベ


ボーネンかっこよすぎでしたね!しびれましたよー。年明けから調子の良かったボーネンをみて、パリ~ルーベまでコンディション保てないんじゃね?と心配してたくらいだったのですが、北のクラシック最終戦で一番強いレースをしてくれました。

私がJスポーツの実況に合流したのは、アランベール突入直前のあたり。去年はそこからクイックステップの受難が始まったわけだけど、今年は好調のチーム状態をそのまま難所でも活かせましたね。シャヴァネルが先導してペースアップ、アランベールでいきなり集団が破壊されて、一気にレースはサバイバルの様相に。その後、バッランやフレチャがメイン集団から先行するというちょっと危うい状態になりそうになったけど、ステーグマンスの鬼引きで引き戻し、またもやシャヴァネルが逃げに出てレースを動かすという、チームとしてはやりたい事がそのままできる最高の状態。その調子の良さそうだったシャヴァネルは、パンクによる車輪交換に手間取ってしまって優勝争いからは脱落しちゃって残念だったけど…。

そして、レースの分かれ道になったボーネンとテルプストラによる逃げ作戦。もうね、びっくりしました。そして、その瞬間大丈夫なのかよ!とも思いました。だって、カンチェラーラの戦線離脱によって、今回誰がどう見ても最大の優勝候補だったボーネンが、残り50キロ以上残して逃げに乗ったわけですよ?しかも、一緒に連れてきたテルプストラは、数キロで追走集団にもどって、ボーネンの独走状態になってしまったわけで、いくら調子が良いとはいえ観てるこっちとしては無謀に見えちゃうじゃないですか。これで負けたらどれだけベルギー人から叩かれるんだよ!とかw

ところが今年のボーネンは本当に強かった。五つ星のパヴェ区間を巧みに走り抜け、追走集団との差をじりじりと離していく。追走集団は、メンバーを4人も残していたスカイが、フレチャを筆頭に必死で追っているように見えたけど、前を行くボーネンとの差は開くばかり…。結局差を詰めることなく、そのままボーネンが50キロあまりを独走したまま優勝と相成りました。

レース実況中、ツイッターで「ボーネンはカンチェラーラの亡霊とたたかっている」というツイートをみたけど、まさにそんなレースでしたね。2年前のこのレースで、勝負どころのパヴェ区間で、カンチェラーラに独走を許し、そのまま影を踏むことが出来ず完敗したボーネンだったわけですが、今回のレースでは俺もそういう圧倒的な勝ち方ができる!という自信とプライドがあったんでしょう。先週のロンド・ファン・フラーンデレンでは守りに徹して勝利した印象だったけど、パリ~ルーベでひたすら攻めての勝利、自分の脚質や調子を冷静に見極めながら、終わってみれば北のクラシックで圧倒的なリザルトを残しました。

本来、カンチェラーラがやりそうな勝ち方をしたボーネンの姿をみて、今回のレースでカンチェラーラも走ってたらどんなレースになっていたんだろう…とは思わずにはいられない。まったく別のレース展開になったのかもしれないし、マッチレースになったのかもしれないし、興味は尽きないわけですが、残念ながら今年はカンチェラーラに不運がつきまとってその楽しみはお預けになってしまいました。来年こそは、ロンドとルーベで、この二人のガチンコ対決をみてみたいもんですね。

はー、今年も北のクラシックは楽しかったなー。贔屓のチームが順調すぎると面白さが違いますねw

他を寄せ付けない独走勝利 トム・ボーネンが歴史にその名を刻む
トム・ボーネン勝利記者会見 「4勝目のルーベは特別な走りで勝ちたかった」
Paris-Roubaix (2012) Photos
Triomftocht Tom Boonen na hectische helletocht

2012年4月2日月曜日

ロンド・ファン・フラーンデレン


レース直前まで、あまりにもオメガファルマQSTのチーム状態が良くて、好事魔多しというし、本番では何かやらかしちゃうんじゃ…と勝手に心配してたんですが、終わってみればボーネン&チームが実力通りの結果を出しましたね!ボーネンはこれでロンド3勝目、ここ数年の鬱憤を晴らすようなビッグタイトル獲得おめでとうございました。

印象的だったのは、レース実況中に栗村さんが何度か言ってた「ボーネンらしくない」レースっぷりで、良くも悪くもこの「ボーネンらしくない」走りが今回のレース結果になったんじゃないだろうか?と思ってる。ここでいうボーネンらしさというのは、攻めに攻めまくるスタイルのことだと思うんだけど、ここでアタックしちゃうの?的なサプライズが最後までなく、そしてスプリントで勝負を決めるという、言い方は悪いけどちょっとおもしろみにかける勝ち方ではあったかも。E3プライスの時なんかは、石畳の登りで脚を計るようなアタックを見せていたみたいだから、今回も攻めのレースを見せるんじゃないかと期待してた分、そう思っちゃったのかもしれない。

で、自分なりになぜボーネンがおとなしいレースをしたのか考えてみた。

・単に脚がなかった説。レース後ボーネンのインタビューで、「今日はそんなに調子がよくなかったんだよ」発言もあるようだし、自分の調子を冷静にみての判断だったのかもしれない。

・チームのレース運びが盤石で、自分から動く必要がなかった説。シャヴァネルはマークが厳しくて逃げに乗れなかったけど、2回目のクワレモントで集団を破壊したアタックは強烈でしたね。途中ことごとくアタックをつぶしてたスティーグマンスとか、最後まで先頭集団に残っていたテルプストラとか。ラストにポッツァートとバッラン3人の逃げが決まったのも、テルプストラとシャヴァネルのアシストが大きかったに違いない。

・レース中3回通るクワレモント~パテルベルグを無事こなすために力を温存していた説。まぁ、普通に考えるとこれだよね。三度目のパテルベルグ、もうちょっと距離が長かったら、下手するとポッツァートとバッランに置いていかれたかも…な走りっぷりだったし、ボーネンも今回のコースレイアウトに対して攻めの走りより守りの走りのほうが重要だと判断したのかも。

・周りからのマークが厳しくて動くに動けなかった説。ボーネン自身E3とヘントを連勝中だっただけでなく、シャヴァネルやテルプストラも絶好調とあって、明らかに他のチームはQSTをみる形でレースしてましたね。だからこそ、2回目のクワレモント辺りまでレースがおとなしかったのかもしれないけど。

・去年のロンドでやったアタックに非難が集中してトラウマになった説。いや、非難が集まったのかどうかは知らないけど、結果としてカンチェラーラに火をつけただけだった例のアタック、俺未だに意味がわからないもん。さすがに懲りたんじゃないのかなぁ…とか思ったり。

・ポッツァートに逆ストーカーをやってみたかった説。ボーネンもずっとローテーションに入ってたからそんなわけはないんだけど、ネタ的に…w

・最大のライバル、カンチェラーラがリタイアして張り合いが無くなった説。これはこじつけだなw しかし、レディオシャックも最後までアシストが3人前に残ってたようだし、カンチェラーラが落車してなかったらどんなレースになってたんだろうなぁ…と思わずにはいられない。

ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ~ルーベは、数あるワンデーレースの中でもサバイバル度が格別に高い印象があるので、今年みたく比較的大きな集団のまま終盤を迎えるというのはどうなんだろうなぁ…と少しばかり思いました。新コース設定でレースがどう動くか、誰もが読めなかったから余計に慎重なレース展開になったのかもしれないな。来年も今年の同じコースなのかはわからないけど、一観客として無責任な意見を言うならば、やっぱり残り100キロ地点くらいからチーム感の思惑がぶつかり合うようなレースがみたいっす。

レース結果
落車続発のフランドル決戦 王者ボーネンが史上5人目となる3度目の優勝


2012年3月26日月曜日

ドワーズ・ドア、E3プライス、そしてヘント〜ウェヴェルヘム

オメガファルマQST、怒涛のチーム3連勝ですよ!好きなチームが想像以上の好調さをキープし続けていると、逆になんか不安になってくるのはどういうことでしょうか!?

ドワーズ・ドアはテルプストラの逃げきり勝ちも素晴らしかったんだけど、シャヴァネルの好アシストも見逃せないですよね。結果論かもしれんけど、テルプストラとシャヴァネルの2人が逃げ集団に乗れた時点で、このレースの行き着く先はほとんど決まってたのかもしれない。

テルプストラ独走勝利 2位シャヴァネルとのオメガファーマのワン・ツーフィニッシュ

そして2日後のE3プライスでは、ボーネンが勝負どころでレースを動かしながら、最後はスプリントで勝利と、これ以上ない勝ち方。終盤で二日前のレース同様逃げに乗ったシャヴァネルがゴール近くまで粘り続け、テルプストラが追走集団から抜けだそうとする選手のチェックに入り、最後はエースによるスプリントで勝利をおさめるという、チームとして磐石すぎる勝ち方。もう何も言うことがないという。

石畳に絞られた集団スプリントをボーネンが制す 新城は落車リタイア

さらに今日のヘント〜ウェヴェルヘム。今回はテルプストラとシャヴァネルというアタッカー不在のチーム編成ということで、逃げに選手を送り込んで追走集団にいるボーネンがレースをコントロールする、というオメガファルマQSTお得意の展開ではなく、最後まで派手な動きを控えて最後のゴールスプリントにかけるという、前2つのレースとはまた異なる戦略。好調のキッキやチオレックでも勝ちを狙えるというチーム編成だったけど、今日も勝利を決めたのはボーネン。最後のスプリントはかなりカオスな感じだったけど、ちょうど前の壁になっていたサガンが、フレイレの動きにつられてボーネンの進路をあける形になり、そこからのボーネンのスプリントは実にお見事でした。

ピュアスプリント勝負になると、他の若いスプリンターの後塵を拝する姿を何度もみてきたので、今日のような圧巻スプリントをみると本当にボーネンは好調なんだなぁと改めて思った次第であります。E3プライスとヘント〜ウェヴェルヘムを連勝するって、過去にどのくらい例があったんだろ。

しかし、エースだけじゃなく、チーム全体がこれだけ好調なのを見せつけちゃうと、本番となる来週のツール・デ・フランドルや翌週のパリ〜ルーベでは、オメガファルマQST VS その他のチームというレースになりそうですね。いくらチームが好調でも、徹底的なマークにあうとどうなるんだろう…。逆に、カンチェラーラあたりはレースがしやすくなりそうだよな、とか。

2012年3月18日日曜日

ミラノ〜サンレモ

帰省中につき、Jスポーツのライブ中継を見ることができなかったので、ストリーミングサイトで観戦した。Macbookでストリーミング動画を流しつつ、iPhoneでTwitterのタイムラインを追い、iPadで2chの実況スレをチェックするというスタイル、試してみるとなかなかいい感じで、何を喋ってるのかさっぱりわからないストリーミング映像を、他の人たちの書き込みで補完するという観戦方法もありだなぁと思ったり。

さて、そのミラノ〜サンレモ。レマニエ峠でカヴェンディッシュが早々に遅れて、そのカヴェンディッシュを先頭集団に連れ戻すために懸命になるスカイがレース中盤の単調になりがちな道中を盛り上げたけど、結局カヴェンディッシュがレースを諦めて、レースの焦点は前に残った選手たちの絞り込みに。

毎度レースの肝になるチプレッサである程度メンバーが絞られて、重要な局面で発生したジルベールの落車でさらに有力どころが脱落。さらにポッジオの登り区間でアタックをかけたニーバリとそれに合流したジェランス、カンチェラーラの3人のエスケープが決まるかどうか、特にカンチェラーラが無双状態突入後、後ろについたジェランスやニーバリが粘れるかどうか、さらにその3人を追う後続が逃げを潰せるかどうか、一気にボルテージが上がりましたねー。カンチェラーラが前を牽き始めると、他の選手はカンチェラーラを逃がすわけにはいかないので必死に後ろを追うことになって、レースが一気に緊迫した状態になるんだよね。

ゴールまで逃げを決めるために牽き続けたカンチェラーラは、最後の最後でジェランスに綺麗に交わされて、今年も2着。去年はスプリントで2着だったので去年のレースとはまったく状況が違うわけですが、これだけがっつりマークされちゃうと勝ちきるのはなかなか難しいですね。3人のエスケープに入ってから、一瞬だけジェランスが前に出た他、ずっとカンチェラーラが一人で前を牽いていたわけで、それで後続が追いつけなかったので、相変わらずカンチェラーラの強さは目についたわけだけど、どうにかして独走状態に持ち込まないとスプリントでは歩が悪くなりがちですな。後ろについていたジェランスとニーバリにしてみれば、自分が勝ちたいという欲を持ちつつも、後ろから追ってくるメンバーにゴスとサガンという決め手のあるスプリンターがいるから、逃げが決まらなくてもいいという大気名分があったのもカンチェラーラにとってはきつかったですね。こればかりはチームオーダー次第でもあるので、勝ちを狙えるスプリンターがいないと(今回はベンナーティもいたけど…)最後の最後で厳しくなっちゃう。そんなこんなを考えると、カンチェラーラが勝利するにはポッジオの下りで独走に持ち込むしかなかったんだろうなぁ…と思う次第。ま、勝ちを逃したけど、調子はとっても良いのは明らかなので、北のクラシックでも当然の大本命なんでしょう。

個人的に一番応援していたボーネンは22着。ライブでレースを見ていたときに、レース後のゴール前リプレイで派手に落車してたオメガQSTの選手がいて焦ったんだけど、あれはポッジオの下りで落車した選手の影響でちょっと遅れたボーネンに代わって前を追っていたトレンティンだったらしい。ボーネンも調子よさそうだったし、当然今回のレースも勝利を狙っていたとは思うんだけど、それ以上に本番レースといえるのは来週からの北のクラシックなわけで、ここで怪我をしちゃうようだと、ファンのテンションも一気に落ちるわけで、22着という結果は残念だったけども最悪の事態にはならなかったので吉としよう…。

最後にカンチェラーラを差し切ったジェランスは、たしかにおいしいどころどりだったんだけど、どうすれば自分が勝つことができるのか冷静に判断した結果なんだし、今期グリーンエッジに合流してからの調子の良さはこれまでのレースでも見せつけていたので、決して運だけの勝利でもないよね。なんだかんだいって、このレースを勝つにはシーズン序盤から調子の良いところをみせてないと無理なんだろうしさ。まずはおめでとうと言いたいですね。しかしこのジェランス、昨シーズンまでスカイにいた2年間は全然印象がなかったんだけど、今期の好調ぶりは目を見張りますねー。本来ならエーススプリンターのはずのゴスがそこまで本調子になっていないような状況で、ジェランスがビッグレースを制することができたのは、立ち上がったばかりのチームにも追い風だよね。ただ、このグリーンエッジというチーム、強力なオールラウンダーが見当たらないように思うんだけど、だからといってスプリントの勝利を狙うにはゴール前のトレインが組めているという印象もないし、この後のビッグレースではどういうオーダーを組んで何を目標にしていくんだろうか。

ポッジオで決まった3名のアタック 豪州勢が2年連続サンレモ制覇
実力で負けて勝負に勝ったゲランスがミラノ~サンレモを制す

2012年3月6日火曜日

ストラーデ・ビアンケ

先週土曜日に、イタリアのトスカーナ州で開催されたストラーデ・ビアンケをストリーミングにて観戦した。歴史が浅いのにかかわらず既に多くのファンを獲得していると言えるこのレース、見所はやっぱりこの写真に代表される未舗装区間。近年はジロでもコースの一部として取り入れられるようになりましたね。パヴェほどのアクシデントは起こりにくいんでしょうけど、砂煙の舞う光景は、何かが起こりそうな予感をひしひしと伝えてきますよね。

さて、今年のレース。序盤、中盤と逃げを打ったレディオシャック・トレック勢がカンチェラーラを温存しながらレースをコントロールし、それにBMCが対抗する展開になりました。序盤がどんなレースだったのか把握できてないんだけど、ストリーミングで観戦しはじめた時にはイケメンが単騎で逃げていて、それを追う集団はバッランとファンアーヴェルマートがカンチェラーラを見据えながらレースを進めていく。さらに後ろの集団にジルベールなどの有力選手がいたようだけど、前に追いつけるようなタイム差じゃなくなりつつあり、終了モード。

残り距離がなくなってきたところで、先にレースを動かしたのはBMCのファンアーヴェルマート。それをすぐにチェックしたカンチェラーラが、早々に追い抜いて無双モードに突入。カンチェラーラを追走する小集団が形成されたものの、最後まで追いつくことなくそのままゴールへ。こういう展開になると、カンチェラーラは本当に強いですね。カタールでも第4ステージで調子の良さそうなところを見せていたけど、さらに状態は上向き中といったところでしょうか。このパターンに持ち込まれたら、よほど追走で協調がとれないと、誰も手を打てない感じですね。レース展開も、チームメイトがずっと逃げてくれたおかげで、終盤までじっくりと機を伺うことができてたようだし、チームとしてこういうレースが出来るようであれば、去年のフランドルやルーベのような惜しい負けが続くこともないかも…という気もしてきますね。

ただ、今年はボーネンとその仲間たちの仕上がりっぷりも非常に良いみたいなので、カンチェラーラがいくら強くても一筋縄ではいかないんじゃないだろうか。昨日のパリ~ニース第2ステージでも、横風区間でオメガファルマQSTが動いて集団を粉々にし、そのままボーネンを勝利に導いたところをみるに、やっぱりチーム状態は非常にいいんでしょう。

逆に、チーム状態がなかなかあがってこないようにみえるのがBMC。ストラーデ・ビアンケでも、個人の状態を度外視して名前だけながめたら最強メンバーなわけだけど、パンクで遅れたジルベールは仕方ないとして、他にレースに参加してたエヴァンス、ヒンカピーにブライスといった面々はレース中に名前を聞かなかった気がするもんな。まだまだ調整中ってことなんだろうけど、ぼちぼちコンディション上げていかないと、少なくとも北のクラシックには間に合わなくなるような…。フースホフトもまだまだみたいだし。経験豊富な選手が多いわけだし、そこはそんなに心配する必要もないのだろうか。

ま、このままけが人がでなければ、フランドルやパリ~ルーベは面白いことになりそうだから、期待は高まるばかりです。はやく1ヶ月たたねーかなぁ…。

出走メンバー
レース結果
「北のクラシック」に向け本格始動 カンチェラーラが砂塵レース制覇


2012年2月27日月曜日

オンループ・ヘットニュースブラッド

土曜日に開催されたオンループ・ヘットニュースブラッド、ベルギーでのセミクラシック開幕戦ということで結構に楽しみにしてたレースだったわけだけども、ストリーミングでガッツリ観戦することができたので軽く回顧を。

クラシックシーズン開幕 23歳ファンマルクがボーネンを下す

いやー、もうびっくりしましたよ、ファンマルクの強さに。レース終盤でアタックをかけて集団をふるい落としたのもファンマルク。そして最後の勝負どころでも、強烈なアタックによって優勝争いをボーネン、フレチャの3人に絞り込んだのもファンマルク。そしてそして、ゴール前スプリントで、誰がどう見ても圧倒的有利に思えたボーネンを差しきったのもファンマルク。まさかあの展開でボーネンが負けるとは思いもしなかったし、びっくりしたよ、俺は。

レース後、ボーネン曰く「仕掛けが早すぎた。最後の最後で脚をつってしまった」的なコメントを残しているとおり、早仕掛け&脚が残ってなかったという敗因もあるんだけど、ボーネンに判断を誤らせただけの実力をファンマルクが持っていたってことなんでしょう。

ファンマルクは去年もクラシックレースで結果を出しつつあったようだし、今回のオンループで勝利したことでさらにステップアップしそうな気がしてる。本番でもいい線いくんじゃないだろうか。しかもまだ23歳だって!ガーミンというチームにはハウッスラーやファラーといったクラシックライダーがいるので、今年どこまで自由に走らせてもらえるかはまだわからないけど、今回これだけ強さを発揮したらチャンスはもらえそうだよね。

負けたボーネンは…、本番は当然この先だしね!調子良さそうだったし、パヴェ区間では健在っぷりを発揮してたけど、最後のスプリントで決め手が弱くなってきてる印象はあるよなー。例えばパリ~ルーベでフースホフトあたりとガチンコのスプリントになったらどっちが勝つだろう?とか。ま、ここで圧勝して去年のカンチェラーラ状態になるよりは、今はこのくらいの結果のほうがいいのかもなw